狼先輩。



「ここ、生クリームついてるよ」


「ひゃっ」


唇の横についた生クリームを先輩が指ですくって、そのまま舐めた。


その行動がなんだかとても色っぽく見えて、ドキリと胸が高鳴った。


それと同時に、さっきの西村くんとの間接キスを思い出してしまう。


……わ、忘れよう。


「あ、の……先輩、何か用があったんじゃ……」


「用なんてないよ」


「え……?」


「ただ、ことりちゃんと2人きりになりたかっただけ」



そう言う先輩は真剣面持ちで。


……少し、嬉しい……なんて思ったのはきっと何かの間違い。