狼先輩。


そんな中、ファンクラブの女の子が大神先輩に近付いて行った。


「先輩、あの……ケーキ、作ったんですけど……」


「え、まじ?」


「はい、こっちです」



その子は顔を赤くして、大神先輩の手を引いていく。


「これ?うまそう!食べていい?」


「は、はいっ!」


ケーキをキレイに切って、先輩に渡す女の子。


「ありがと」



先輩がニコリと笑うと、その子の顔が余計に赤くなったような気がした。


「……うまい!君、確か料理部の子だよね?」


「あ、は、はい!!そうですっ!!」


……先輩、あの子のこと前から知ってたんだ。