「あ・・じゃ・・・
私 戻りますね」


「あーうん、さんきゅ」


去川さんが、去川さんが
サンキュって言った!?

内心叫んでしまいたいくらい意外すぎる言葉を返されたけど
冷静に


「いえ・・・」


って言ったのはいいけど・・・

いえ・・・って
会話成り立ってるんだろうか・・。


医院に向かって歩き始めた時
近くのコンビニから出てきた車が
横に停まった。


「あの!送りましょうか?」


窓から見えた顔は
三上さんだった・・・


「大丈夫です。」

そ、そうだ!今、今がチャンス。


「あの、三上さん!」


「え・・・?」


「私・・・」

と さっきまでシュミレーションしてた言葉を いざ口に出そうとした時


「どうしたん?ナンパ?」


去川さんが背後から声をかけてきた。


「いえ、あの患者さんで・・・」

って説明してる場合じゃなくって!


「三上さん、ごめんなさい。
私 個人的なご連絡は・・・」

「え?あ・・・あー・・・
そか、そっか、うん。
いいよ、大丈夫。うん
そうだよね、俺みたいな奴から連絡先渡されてもね・・」


「・・・すいません」


大きく頭を下げると、


「頭上げてって、大丈夫だから。
ね、じゃ・・・気をつけて・・」


・・・言えた。

私、言えたじゃん・・・