瀬尾先生が手を伸ばした。
私もつられて伸ばす。


指先が微かに触れた。

心臓が早くなる。

「フッ…」
瀬尾先生が笑った。

えっ?

この状況は何?

どうしたらいい…


「クマの幅でか過ぎだな。手を伸ばしてもちょっとしか届かない」
瀬尾先生が笑う。

「ほんとだね」
私も笑うけど、寝転んだまま合わせる目に恥ずかしくなってきた。

「あ…クマ拾わなくちゃ」
起き上がろうとしたら、手を引っ張られた。


えっ?

引っ張られた手を見る。

瀬尾先生が手首を掴んでいた。

手首を離して、手を握ってきた。

えっ?

戸惑いながらも、握り返してしまった。