「瀬尾先生、独占欲が強そうだね」

「そうかな?」

「ペアリングさせることで男除けしているじゃない?」

男除け?
確かに彼氏いますって宣言しているかも。


「他は何したの?」

今日行った場所を話した。

「そうそう、慎也にお土産!」

映画のパンフレットを見せた。

「ありがとう。読んだら返すね」

「えっ…慎也にあげるよ」

「真那姉が記念に保管しておきなよ」
慎也は優しく、少し寂しげに笑った。


「そうだ…真那姉にお願いがあるんだ」
机を指差した。

「机の一番上の引き出しにまどかから貰ったノートが3冊入っているんだけど…」

まどかちゃんからのノート…学校の様子を慎也に教えるために書いてくれたノート。

「俺が死んだら、まどかに返して欲しいんだ」

「まどかちゃんに返すの?」

「うん…頼むね」

「分かった」


慎也は覚悟しているのかもしれない。