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夕食の席で向かいに座っているライナが、まじまじと自分を見つめているのに気が付いた。


「なに?」


涼は箸を止める。

また成績と進学のことを言うのか。


「あんた。
 デカクなったわね」


感慨深げだ。

涼はコップの水を飲みながら椅子の背に寄りかかった。


「まあね。
 あの時から比べればね」


ライナは口元に笑いをつくった。


「そうね。
 もう大人よね」

「まだ法定年齢になってないけど」


くすくすと笑う。


「昔だったらとっくに元服よ」

「一体、いつの話だよー」

「そう?
 うちではその習慣、まだあるわよ」


ライナが自分の飛び出した生家の話にさらりと触れた。


「ふうん」


ライナは話をどこにもって行きたいのか。

再び口を開く前にライナの携帯が鳴った。