「うーん、家庭の味? 涼はいい奥さんになるんじゃない?」 「なるかよ」 思わず噛み付いた。 「ライナのこと好き?」 突然の問いに、ちらっと綺樹を見た。 最初から、ライナへの想いを見透かされているのは、わかっていた。 こちらを向いている片目が笑っている。 「いいね。 うんと愛しなよ。 それがいい。 愛してやって」 独り言のように呟いてから、ふらりと立ち上がった。