その男の子は、当たり前と言うように

首を横に振った



「・・・そうなんだ」



「・・・お前の夢は?」



ギプスの足をかばいながら

1人分の席を開けてくれる男子



「私の夢・・・

 普通の景色を見て、人を見て

 普通に生きたい。それが私の夢」



「・・・そっか」



言ってること、わからないよね

でも、ちゃんと聞いてくれた



「・・・お前が悪いのって、目?」



「ん?何で?」



「普通の景色、見たいって・・・」



あぁ、なるほどね



「・・・本当に悪いのは、ここかも。

 イカレてるんじゃない?」



頭を指さしながら言う