『晴樹、あなたは虎の手当てを。』 紅が言うと、晴樹と呼ばれた黒髪の男は『はいはい。』と言って、虎の元へ歩いていった。 『哀歌、どうせ麻酔弾だろ?』 見透かしたような口調で問う。 『…知るか、そんなこと。』 哀歌は機嫌を損ねたのか、ふい、とそっぽを向いてしまった。 『…ったく。素直じゃねぇな〜。』