「えっ…やだやだやだ!」 虎の目は、亜季を捕えて離さない。 鋭い眼光を放ちながら、虎は亜季の方へと歩いてくる。 『仔猫ちゃん!あんたの相手はあたしよ?』 そう言って、凪は綺麗な香水瓶を取り出した。 シュッと一吹きし、フッと手を添えて息を吹き掛ける。 匂いはたちまち虎に届き、虎はくるりと踵を返した。 『よしよし、その調子。』 『その調子ってお前なぁ!』 真輝は瑠樹を睨み付けた。