「何よ!どうしたの!」
母親が血相を変えて台所から顔を出した。
「携帯が…動…動いた…。」
口元に持っていった手が震えている。
「何、寝ぼけたこと言ってんの!
どうせバイブで動いたんでしょ?
も〜、びっくりさせないでよ!
お母さん忙しいんだから…。」
「違っ…!」
亜季の反論にも聞く耳を持たず、母親は台所へ戻っていった。
「ねぇってば!本当にあたしの方に向かってきたんだって…!
おかしいよ!携帯、新しいの買ってよ!」
亜季の言葉に、母親はジロリと睨んだ。
「結局それが目的だったのね?
新しいのが欲しいなら、自分で買いなさい!」
ガンッと乱暴にフライパンを置き、ジャッジャッと炒める。
その態度に苛立った亜季は、「もういいっ!」と叫んで部屋に戻った。


