ビュッと、手刀のような真輝の左手が風を切る。 その左手は迷うことなく男の首の後ろに当たった。 悲鳴も上げずに、ドッと男が倒れる。 その光景を見ていた亜季は、息を呑んだ。 …何が起こったのだ。 理解不能な亜季を見て、真輝はニタリと笑みを見せた。 『武器が無くても人は殺せるんだぜ?』 その狂喜に満ちた真輝の顔に悪寒がしたのは言うまでもない。