「………………。」 『あ、来た。』 「え?」 亜季が顔を上げた瞬間。 ブワッと、真輝が目の前を駆けて行った。 何事かと目で追う。 真輝は、金色に髪を染め、肩で歩く若い男の背後に忍び寄った。 フワッと、左手を自身の右耳辺りに近付ける。 手をピンと伸ばして。