それは漂ってジョアンを侵した。 匂いでそれに気付いてはいたが、どうすることも出来ない。 朦朧とする意識の中、ジョアンはぐっすりと眠る瞬を見た。 もう二度と会えないかもしれないと、本能が知らせたのだろうか。 その瞳には涙が浮かんでいた。 『…よし、運ぼう。』 数人の黒いスーツに身を包んだ男…いや、実に不気味だ。 まるでジェイソンのようである。 手術室のような、器具一式が揃った真っ白な部屋に、ジョアンは運び込まれた。 カパッと催眠スプレー対策のマスクを外し、男はニタリと笑みを溢した。