『なんとお美しい姫君…。
是非とも私のコレクションになって頂きたい…。』
『コレクション?』
古びた建物の屋上から見下ろす哀歌に、瑛貴は張り付いた笑みを見せた。
『ホルマリン浸け。』
ニタリ、不気味な笑みが哀歌を侵す。
ゾワッ!体中に、悪夢の記憶が蘇る。
暗い地下室、大勢の白衣を着た男達、並べられたホルマリン浸けの人間達…
ジャキッ!
素早く銃を構える。
『哀歌さん…。』
突然後ろから聞こえた声に、哀歌はバッと振り返り、銃を向けた。
『僕だよ、瞬…。
下ろしてよ、それ。』
両手を軽く上げ、哀歌を見る。
『何しに来た…。』
スッ、銃を下ろす。
『哀歌さんが、また独断で何かやってるんじゃないかって…』
『紅が言ったのか!?』
珍しく感情的になる哀歌に目を丸くした瞬は、しかしすぐに冷静さを取り戻す。
『ううん、泉水が。』
『………………。』
『今日は帰ろう、その男とは、いずれ戦うことになるんだから…。』


