『あたし、ラストRになりたくてたまらなかったの。
だから、ラストR通知書が届いた人間が他にも居たことが許せなかった。』
『ラストR通知書…お前にも届いたのか!?』
俺が訊くと、彼女は銀色の髑髏のシールが貼られた漆黒の封筒を見せた。
紅い文字で、
【Dear Last R′】
『ラストRダッシュ…?
ラストRじゃないのか?』
『あたしは、そこで くたばってる男よりも弱いと!判断されたのよ!!』
ブワッ、凄まじい殺気が彼女の体から放たれる。
少しの沈黙の後、俺は口を開いた。
『光と影…
陽と陰…
太陽と月…。』
『はぁ?何言ってんの!?』
『リキとお前だよ。』
俺は冷たく言い放った。
『同じラストR候補でも。
リキとお前は正反対だ。』
『だから何?
影は光より劣ると?
陰は陽より弱い?
月は太陽に勝てないと誰が決めた!実際、あたしが勝ったじゃない!何が言いたいのよ!』
彼女は喚き散らした。
俺が、それに答えることは無かった。


