ああ、そうか。 引っ掛かっていたのは矛盾。 ラストRは殺す人間の前にしか現れない。 なのに、怜衣は堂々と皆の輪の中に居た。 「怜衣…。」 救急車のサイレンが聞こえた。 「ラストRは…己の名を語られたってだけで、怜衣を殺したの?」 その言葉に、悲しみや怒りは無かった。 心なんか入ってはいない。 空っぽの感情。 ただ発しただけのような、空虚な言葉。 『亜季…?』 「それくらい冷酷なら、BANISHにも勝てるかもね。」 ニタリ、笑みが溢れる。 そんな亜季の横顔を、真輝はただ見ていた。