幽霊の思い出話


 嘘。本当はただ聞きたくないだけ。

 本人が居るんだから本人に聞けばいい・・・。偽者じゃなければいくらだって話してくれるはず。本人じゃない人から色んな話しを聞くのは、なんだかあまりいい気がしなかった。

「小説読み終わったらまたこんな風に話そうね」

「そうですね。勉強しておきます。今の大橋様、少年のように楽しそうでしたよ」

「えっ?そう?あはは、好きなことになるとついついね」

 頭をかきながら、少し赤くなった頬を大橋様はグラスで冷やしていた。