「何かお祝いしましょう。何かしたいこととか欲しいものありますか?」

「いやいや、そんなっ、悪いよ」

 両手を左右に振り、首も左右に振りながら、私の提案を大橋様は拒んだ。

「私の気持ちなんですから気にしないで下さい。何かないですか?」

「ありがとう。うーん、そうだなぁ」

 今度は腕を組み悩み始めた。

「あっ、そうだ。今度デートしよう。これっ、これ一緒に行って欲しいな?」

 そう言って、ポケットから紙を出してきた。