「土方さんいつもにも増してピリピリしてるな」

「威圧感満載」

「多分山南さんが原因」

 再びこそっと総司が話しかけてきた。総司の腰刀が背中にこつこつと当たった。

「どうしたんだ?」

 興味が湧いた新八が総司の話に乗っかった。さっき怒られたことはすでに忘れたのか・・・。

「山南さんが昨晩の巡察から帰ってきたあと、土方さんに「鬼の面をつけているくらいひどい顔ですね」って言ったんだよね。土方さんが怒っている時に」

 新八と二人、顔を歪ませた。山南さんと土方さんは少し仲が悪い。意見が食い違うことが多いからか、二人は少し距離を置くことが当たり前のようになっていた。