禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

「ちょ、あね、あ、志乃……?」


「寒いから……」


 嘘ではなかった。と言っても、肌寒いって程度だけども。


「あ、ああ、そうだね」


 海に向かって吹く風と、和也の温もりが心地いい。和也も遠慮がちだけど、私の背中に手を回してくれた。恥ずかしくて和也の顔を見られないけど、きっと困った顔をしてるんだろうな。


「ねえ?」


「ん?」


「スモールが点きっぱなしの車ってさ、中に人がいるのかな?」


「だろうね」


「何してるのかな?」


「何って……姉貴、じゃなかった志乃の想像通りだと思うよ?」


「やだ。想像なんか……」


 したけどね。