禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

「はあ?」


「あんた、迷わずここに来たわよね? つまり、来た事あるって事でしょ? 誰と来たの?」


「え、一人で、かな」


「嘘! 一人でドライブするのは嫌いだって、言ったじゃない?」


「誰だっていいだろ? 姉貴には関係ない!」


 和也に逆切れされてしまった。私ったら、ついヤキモチで和也を責めてしまった。そんな権利、私にはないのに……


「ごめんなさい。でも……」


 私は和也に詫びながら、彼の腕に手を伸ばし、ギュッと抓った。


「痛っ!」


「“姉貴”と言った罰よ」


「まだ有効なのかよ、それ?」


「そうよ。家に帰るまで、私達は恋人同士なんだからね?」


 例によって「チッ」と小さく舌打ちする和也に、私は正面からギュウッと抱き着いた。