禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

 なぜかスモールが点いたままの車が何台か停まっていて、和也はそれらとは離れた場所に車を停めた。


「出ようか?」


「うん、そうね」


 車の外へ出た途端、清々しい風が体を過ぎっていった。

 目の前は海らしい。真っ黒な海面は、対岸の明かりを照らしてキラキラ輝いている。

 対岸は色とりどりの明かりがちりばめられ、かすかに星が瞬く夜空を、着陸態勢の飛行機の明かりが横切っている。

 手前に手摺りがあり、それに沿って何組かのカップルが寄り添う姿があった。


 うーん、綺麗! だけども……


「和也、ここってデートスポットじゃない?」


「そ、そうかな」


「誰と来たのよ?」