禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

 どこをどう走ってるのか私にはさっぱりだけど、和也は道を知ってるみたいで、右へ左へすいすいとハンドルを切っていた。


 本当にホテルへ向かっているのかもしれないと思うと、私は行き先を聞く事が出来ずにいた。


 そうこうしている内に、車は暗いけど見晴らしのいい場所に着いた。


「着いたの?」


「ああ」


「ここは……?」


「何て場所かは知らないけど、夜景が綺麗でたぶん涼しいと思うんだ。ここで少し時間を潰そうと思うけど、いいかな?」


「うん、いいわよ」


 なんだ、ホテルに行くんじゃないんだ……って、当たり前か。