禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

 と思ったんだけど、寸前で和也はスッと離れてしまった。宙に浮いた両手をお腹に乗せ、私は目を閉じた。私がしようとした事に、和也は気付いただろうか。気になるけど、恐くて和也の顔を見られない。


 いっそ、気付いてくれた方がいいのかも。『抱いて?』と言えば、和也は私を抱いてくれるかもしれない。


 なんて、何バカな事を考えてるんだろう、私。そんな事を言ったら、何もかも終わりに決まってるじゃない!


「姉貴……?」


 和也の声で目をパチっと開くと、彼は怪訝そうな顔で私を見下ろしていた。


「あ、ごめん。なんだか、眠くなっちゃった」


 私は体を起こすと、そそくさと手帳とペンを持ってベッドから立ち上がった。そして『じゃあね』と言おうとしたら、


「何でだよ?」


 と和也に言われ、私の心臓はドキンと跳ねた。