禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

「どうしたの、志乃ちゃん?」


 そんな私に美沙ちゃんはすぐに反応した。


「あ、それはその……」


 怪訝そうな顔で私を見る美沙ちゃんに、私は「ごめんなさい」と言って頭を下げた。


「志乃ちゃん……?」


「わが弟ながら情けないけど、和也はその……、女の子の体が目当てなのかなって……」


「え? 志乃ちゃん、それは違うと思うよ?」


「へ?」


 美沙ちゃんは、素早くカウンターの方へチラッと目をやった。マスターのお父さんの様子を窺ったのだろう。マスターは、新聞を広げて下を向いていて、私達の会話に関心はないみたいだった。


「彼とエッチはしたけど、彼、仕方なくって感じでおざなりだったから」