禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

 でも、美沙ちゃんに連絡させるさせないはともかくとして、やはり和也をとっちめないといけないかしら。姉の私としては……


「志乃ちゃん、そんな深刻にならないでよ? 志乃ちゃんには何も責任ないんだから」


 美沙ちゃんは、いくぶん明るい声でそう言った。“責任はない”というのはたぶん遠慮した言い方で、要は美沙ちゃんと和也の問題なのだから、私は関係ない、という事だろう。


 何て返そうかと考えていたら、


「和也君は、なんで私と付き合ってくれたんだろう……」


 美沙ちゃんは、低い声でそう呟やくと、私の目をジーッと見た。まるでその答えを、私に求めているかのように。