禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

 え? 『脅された』って……小柳のアホはそんな事まで言ったの? まさか、私の気持ちまでも……?


 私が唖然としていると、和也はうな垂れたまま私に背を向け、ドアに向かって行ってしまった。

 小柳君が何をどこまで話したか気になるけど、取り敢えず今は和也の誤解を解かないといけないと思う。小柳君は『様子を見て』と言ってたけど、それどころではないと思う。私が和也に軽蔑されるのは今更だけど、いや、それも嫌だけど、和也と小柳君の友情にひびが入るのはもっと良くないと思う。


「待って。聞いて?」


 私は和也の腕を掴み、そう叫んでいた。


「確かに小柳君とはホテルで会ったけど、私達、何もしてないの」


「な、何も……?」


「そう。つまり、エッチとかは、してない」