「…グスッ…悠人ー…」


「…相変わらず泣き虫だな」




涙でぐちゃぐちゃな顔を上げると、悠人が眉を下げて、少し困ったように笑った。



まるで、高校生の頃に戻ったような感覚。体中から、悠人への想いが込み上げて来る。


やっぱり、あたしには悠人しかいないよ……。





悠人が頬を伝う涙を指で拭う。そして絡まる二人の視線。


悠人が顔を傾け、あたしは目を閉じた。




「…綾真っ赤だな」


「う、うるさいなぁ」



唇を離し、意地悪に笑う悠人。そんな顔もカッコいいから困る。



久し振りだったからか、唇は震えるし顔は真っ赤になるし変な緊張はするし。


本当に、ドキドキしすぎて死んじゃうかと思った。


……でも、悠人。こんな風に、いつまでも初々しい夫婦でいたいよね。


一つ一つの事を、二人で感じ合えるような……。



――――…そんな、夫婦に。