空蝉の光 -桜花乱舞-



「………………」



この感じ…。



夫婦に見えなくもないよね?



肩車をされて喜ぶ子供に笑顔を見せる父親…。



私は無性にその場から逃げ去りたくなった。



だって、私が夫婦に見られないように距離をあけて歩いても、こいつが合わせて来るんだもん!。



「あの…、どうして隣を歩くんですか?」



「だって、こっちに来たばっかりで道が分からないし」



彼の話によれば、要人である父親の仕事に追っかけて、数日前にこっちについたばかりらしい。



だったら、親捜しを手伝うようなことしないでよ…。



自然と溜息が漏れた。