空蝉の光 -桜花乱舞-



俺はそれに振り返ることなく、前だけを見、料亭・紫苑まで走った。



桜ちゃん…、君が俺を拒んだ
理由はだいたい見当がつく。



でも、俺はそんなことで君を嫌ったり、諦めるわけがない。



だって、俺は…。



桜ちゃんが好きなんだから――。