空蝉の光 -桜花乱舞-



多分、自分以外の人との恋愛が気になるんだろう。



確かにお母さんの恋愛話はお父さんとのしか聞いたことがないから、私も気になる。



「さぁ?誰でしょうね」



「涼…」



「ふふふ…、冗談です。私の初恋は貴方ですから」



お母さんはお父さんの鼻を軽く押した。



よく初恋は実らないというけど、お父さんはともかく、お母さんは初恋を叶えた。



それは凄いことだと思う。



「ったく…、冗談がキツイぞ、涼。しょうがねぇ、認めてやるよ」



あの頑固なお父さんが簡単に折れた。



恐るべし、母の力…。