*瞳 ~Pupil~*


「これは夢じゃないか…」


そう目を疑った。


病室のべッドも棚も治療道具もナースも

医者の先生も………


めちゃくちゃになっていた。


この部屋で何が起こったんだ……?


俺は窓の方に目をやった。


瞳ちゃんがガードピユポーと

一緒に宙に浮いていた。


瞳ちゃんは驚いた顔をした俺に気づいたようで


「あっ…お兄ちゃん…来てくれたんだね…。」


と酷くやつれた顔で言った。


「瞳ちゃん…危ないからこっちに来い…。」


俺は窓に近寄って手を伸ばした。


「お兄ちゃん、私はそこにはもう戻らないんだ。」


瞳ちゃんは青い空に照らされて

気持ち良さそうに笑った。


「なにバカなこと言ってるの!!」


空亜が叫んだ。


「ほら…私、鳥みたいでしょ…。」


眩しく照りつける太陽が何もかもを夢から

現実へと引き戻す…。