薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~



最後の溜息で書いた者への呆れを表し、本を閉じた。


表紙には『藤岡家之意見書』と行書体で書かれていた。


あぁ、なるほどだからこのようなことが書かれていたのか。何故書である筈なのに思いのような、叫びのようなものばかり書かれているのだろうかと思っていたのだ。



「あっ、もうこんな時間」