鳴らしたのは紫音の姉の藤岡紫華が所持している竹刀だった。竹刀は道場に敷かれた畳に思い切り叩きつけられたせいでもう使い物にならなくなっている。 それは紫華がどれだけの力を持っているのかを表していた。 紫華は自分の丁度肩から下2㎝ほどある髪を鬱陶しそうに手で掻き揚げ、妹に向けてにこやかな笑みを向ける。 「どうしたの? そんなにボーとして。もしかして私は弱かったかしら」 紛れもなく怒っていた。