それは少女紫音にとって初めて見る光景であった。 そこには生真面目にクラスメイトの質問に応答していた優しい少年の姿はない。 冷酷で残虐な雰囲気を醸し出す―――そう、まるで紫音が昨夜で助けてもらった時のような少年がそこにいた。