薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~




放課後、彼―――櫻澤結斗は周りにいたクラスメイトを掻い潜り、校庭まで来ていた。



「やはり」



1人の中ぽつりと言葉をこぼすと、ガサリと枯葉かそこら辺に落ちている葉でも踏んだ音が聞こえた。その音を鳴らした主は決して結斗ではない。


では誰なのか。


結斗は後ろを振り向き、音のした方を見る。


そこには彼の幼馴染―――霧澤《きりさわ》静寂が立っていた。