屋敷へと入ると、歩を進めるたびに古いのか床がギシリギシリと軋む。
中はまさに和風の木造建築だった。
紫音と茜は女性の後ろを歩く。
女性の歩き姿は美しいため、二人はその姿に羨ましさを抱いていた。
永遠と続くような気がしてならない廊下を突き進むと、屋敷の奥なのであろう部屋に着いた。その部屋に向けて女性が「結斗様、お客様です」そう一声かけると、まだ声変わりをしてない少年の声が返ってきた。
その声は実に美しく、少女のように高いが、そこには少女と感じさせるものが一つもなく少年の声だと一声で見抜ける。
女性は少年の一声を聞き、引き戸式の戸を開ける。
そこで紫音の目に映ったのは―――。
