それにしてもこの手紙は誰からなのだろうか。宛名と送り主が書いているであろう裏を見た。すると実に少女らしい丁寧さを感じる文字で櫻澤結斗様、その下に送り主が書かれている。そこに書かれていたのは……。



『藤岡紫音』俺が昔淡い恋心を抱いていた少女の、悲しき言葉を並べ傷付かせてしまった少女の名前だった。