すっきりとした表情を浮かべ、自分の部屋へと戻っていった妹―――紫音がいないためここにいるのは私―――藤岡紫華のみ。


日課としている竹刀での素振りを終えたのち、稽古場を出たのだが、丁度母―――藤岡藍羅が大きな柱に凭れ掛かっていた。もしかして見ていたのだろうか。そう思うと何やら恥ずかしい。


母の血は私と妹に反映されていることを示す、そっくりな髪質、髪色の長髪が垂らされる。もう既に40は超えているであろうにそんなことを感じさせない瑞々しい肌は、10年は若く見せているであろう。



「紫音も行くべき道を定めたようね」