「紅華っ、貴方なにしているの!!まさか…妖に……。結斗、結斗は大丈夫なの。結斗っ」 母雨卯だった。 いつもの母らしくない様子で、自分に駆け寄った。温かな母に抱かれ、安心したのだろう。俺はそのまま死んでいくように目を瞑った。陰の気によって大きなダメージが与えられたのだ。糸が切れたようにゆっくりゆっくりと体から力が抜けていった。