「実はね、櫻澤結斗と私は実の親子なの。きっとあの子は人に言うのは嫌がるだろうけど、事実なの。とある事情で離ればなれで暮らしているけど。
結斗は大きな荷物を負っている。それを解決する手助けをしてほしいの。今の結斗にはまだ重い。静寂ちゃんと結斗だけでは重い。貴女の力が必要なの。
これから話す話を聞いて、どうするか考えて貰って良いから。聞いてくれる」
小さく頷く紫音ちゃん。少しばかり肩の荷が下りた気がする。これから彼女に話すことも落ち着いて、話せるような錯覚に陥りそうだ。
「結斗以外にも私には息子がいて、その子は櫻澤家の者としては相応しくない……寧ろ嫌われてしまうような力を持っていたの……」
