薄紅の花 ~交錯する思いは花弁となり散って逝く~




「お願いしたいことがあるの。とってもとっても重要なことなんだけどね…頼まれてくれるかしら?」



頼まれてくれるだろうか。この子は優しい。だから頼まれてくれることだろう。そうであってほしい。



「……はい。御役に立てるなら」



理事長にはいろいろとお世話になっている。この学校に入れてくれたり、困らないように手配してくれたり……感謝している。だから役に立つのなら手伝いたい。


そんな言葉が聞こえてくる。本当にこの子は良い子だ。優しい子だ。