「駄目ではありません。
理事長だって仕事があるでしょう。
それに私がいれば、もし誰かが入ってきた時ややこしいことになるのではないですか?
私のことなど放っておいて、仕事へ戻ってはどうです?」
「大丈夫よ。此処は結斗も知っている隠し扉の向こう―――privateroomよ。心配はいらない。
それより焦っては駄目よ、結斗。
確かに結斗が狙う者はあの妖と関係している。けどあなた1人では無理。静寂が一緒でも…結斗が潰れてしまうわ。そうね……紫音ちゃんも一緒なら大丈夫」
「どうしてその名が出て来るのですか。
これは櫻澤家のみで解決せねばならぬこと。私がやらねばならぬこと。
例え櫻藤家としての命でも従えない。それは貴女の私情がはさまれているじゃありませんか。失礼します」
