「だから翔ちゃんが婚約はしたものの全然その気がないから、痺れ切らして親たちが動き出したんだよ」


「何だよそれ…全然、聞いてねぇ」


「確か、結納の日取りも決まったし
後、婚約お披露目パーティーの話もでてるわよ
私も、この前結納の席で着る着物の最終のチェックに言ってきたわよ
今回は翔ちゃんちのおば様が、若い頃、お召しになっていたのを貸してくださるのよ
それで、少しゆきを直したりね」


マジかよ


そんな具体的なとこまで話いっちゃってんの?


何も知らないのはオレだけって事か…


「とにかく、私は一日も早く翔ちゃんのお嫁さんになりたいと思ってる。たとえ翔ちゃんが何て言おうと構わないから」


千年の決心はいつになく頑なに感じられた


その表情にはどこか危なげな妹の面影は全くなかった


結局、これ以上話していても千年は全く引く気配がなく


その日は帰る事にした