「翔ちゃんがうちに来るの珍しいよね」


オレは有と身体を重ね合った次の週末


千年の家に来ていた


うちと同様、千年の家もかなり立派な和風建築だ


よく手入れされた庭でオレと千年は話していた


「千年に話がある」


「良い話じゃないと聞かないよ」


「千年、オレお前とは結婚できない」


「何で?」


「本気で好きになったヤツが出来たから」


「別にいいよ」


「えっ?」


「私とは予定通り結婚して、その人の事を愛人にすれば良いじゃない。私気にしないよ」


「お前…何言ってんの?」


オレの中では未だに小さかった頃のイメージのままの千年が、何を言ってるのかオレには理解できなかった