オレには婚約者がいる


昔から決まっていることだ


オレもそれを受け入れるつもりだ


親に刃向かうなんて面倒な事は嫌だからだ


オレは昔からそうだった


オレには二つ上の兄貴がいる


兄貴は何でもスマートにこなす


だから親たちはいつだって兄貴ばかりを誉めた


羨ましかった


だからオレは親に自分の事も誉めて欲しくて


何でも親の言う通りにしてきた


何でも出来るよう努力もした


けれどいくらそうしたって、親はオレの事をちゃんと見てくれる事はなく


誉めてもくれなかった