頼まれた仕事は、思ったより時間のかかるもので…


やっとの事で終わる頃、社内に残っているのは私と柊さんだけだった


柊さんを少し見るとデスクのイスに揺ったりと腰を掛け置き場がないくらいに思える長い足を緩く組んでいた


そして手元には資料を持ち、さっきからずっとその資料に目を通している


緩くウェーブのかかった薄茶色の髪


長いまつげとくっきり二重の目元


もちろん鼻は筋がすーっと通っていて


そして薄く引き締まった唇


こうして見るとホント格好いいんだよなぁ…


って見とれていると


不意に柊さんと目があった


「!」


慌てて目をそらしたんだけど、
柊さんはすっと近づいてきて私のデスクにもたれ掛かるように立った


そして座ったままでいる私の顎に手をかけると


クイッと自分の方に向けさせ、ニヤッとしながら言った


「そんなに食いたい?オレはいーよ。何処でも食ってやるよ、桜川さん」


ってゆっくりと顔を近づけてきた


食ってやるって、私ぃ?


食われるの?


柊さんに?


え?え?


ぇぇぇぇぇぇええええっー!?


ここで?オフィスで?


めちゃくちゃ顔が近づいたところでピタッと止めると柊さんが言った