「初めまして、桜川 有と申します」
こんな形でご両親にご挨拶をするなんて思いもよらず
私は名前を言うともう一度、深々と頭を下げた
「有さん、どうぞ頭を上げてください
早速ですが始めさせて貰ってもいいだろうか?」
私と千年さん、同時に頷く
「では、お茶を持ってきてくれ」
とお父さんが手をパンパンと二回ほど叩きながら言うと
今さっき私が煎れたばかりの日本茶と千年さんのものとを二つ沢さんが運んできた
翔真の前にゆっくりと並べて置かれる
「もう一度確認だか翔真が選んだお茶を煎れた人と翔真は結婚をする。選ばれなかった人は翔真の事を諦める。いいかね?」
お父さんの確認の言葉に
千年さんが解りましたと言う
とてもか細い声だった
私は翔真のお父さんに向かってしっかりと頷いた
そしてーーー
翔真はとても綺麗な所作で
ゆっくりと順にお茶を口にした
背筋をピンと伸ばし
丁寧に湯飲みを扱うその仕草に
翔真の初めて見る姿に
私は勝負だって事を忘れて見とれていた
けれど、次の声で一気に現実に呼び戻されてしまった
「決まりました」
翔真のよく通った声が広い座敷に響き渡った
こんな形でご両親にご挨拶をするなんて思いもよらず
私は名前を言うともう一度、深々と頭を下げた
「有さん、どうぞ頭を上げてください
早速ですが始めさせて貰ってもいいだろうか?」
私と千年さん、同時に頷く
「では、お茶を持ってきてくれ」
とお父さんが手をパンパンと二回ほど叩きながら言うと
今さっき私が煎れたばかりの日本茶と千年さんのものとを二つ沢さんが運んできた
翔真の前にゆっくりと並べて置かれる
「もう一度確認だか翔真が選んだお茶を煎れた人と翔真は結婚をする。選ばれなかった人は翔真の事を諦める。いいかね?」
お父さんの確認の言葉に
千年さんが解りましたと言う
とてもか細い声だった
私は翔真のお父さんに向かってしっかりと頷いた
そしてーーー
翔真はとても綺麗な所作で
ゆっくりと順にお茶を口にした
背筋をピンと伸ばし
丁寧に湯飲みを扱うその仕草に
翔真の初めて見る姿に
私は勝負だって事を忘れて見とれていた
けれど、次の声で一気に現実に呼び戻されてしまった
「決まりました」
翔真のよく通った声が広い座敷に響き渡った



