「会いたいよ」 「会いたいな」 私の声に重なるように聴こえたのは、男の子の声。 隣を見れば、吉井くんが空を見ていた。 「君は、永遠を幸せだと思うかい?」 吉井くんの形の良い唇が動く。 私は首を横に振った。それが精一杯の返事で、否定しなければ、吉井くんが遠くなる気がしたから。 吉井くんは微笑んでくれた。 でも、初めて私に向けられた彼の笑顔は、ひどく哀しげだった。